臼杵のふかんさくらと　　　　　　　2023 年 3 月 11 日（土）快晴（春霞） 　　大分片野観音の白木蓮 　　　臼杵川沿いには、「ふかんさくら」が咲いているという。 　臼杵川沿いの国道５０２号線を快適に走っていくと、臼杵石仏入口付近を過ぎたあたりで、国道沿いの河津桜がダイナミックに飛び込んでくる。　「お～っ、咲いてる、咲いてる！」 ふかんさくら（休憩舎と駐車場） （クリックで拡大） 　その左側には、休憩舎と広い駐車場が造られており、誘われるようにして、国道わきの駐車場に停める。　「残念！　１週間ほど遅かった感じだ。」 　駐車場は、臼杵川の河岸に位置しており、足元には清らかな臼杵川のせせらぎも見られる。その一隅に『ウォーキングマップ・ふかんさくらコース』と書かれた案内板があり“ふかんさくらとは：江戸時代、洪水に悩まされた望月の臼杵川に水の力を巧く流す堤防を造った疋田不欠（ひきだふかん）という人に因んでつけられた河津桜の愛称。２月中旬～３月上旬にピンク色の花が見頃を迎える。”などとなっていた。 ウォーキングマップ（ふかんさくらとは） 位置図（国土地理院の地形図加工） 　なるほど、「河津桜」の愛称だったとは。そういえば、一昨年訪れた国東の「夢咲き桜」も、元は河津桜のこと。それぞれ、ネーミングがいいですね。 　ここに咲いている、「ふかんさくら」は、臼杵川沿い（国道沿い）の約６００ｍにわたって植えられており、ゆっくり鑑賞させてもらうことにした。 国道沿いのふかんさくら 「ふかんさくら」の由来となった、疋田不欠（ひきだふかん）を祀った『不欠塚』は、望月バス停から高台の望月集落に向かう市道沿いにあり、昨年の秋、「掻懐キリシタン墓」などとセットで訪問している臼杵市の文化財。 望月バス停付近に、由来の不欠塚 国道沿いのふかんさくらと菜の花 臼杵川の対岸は黄色い菜の花 （クリックで拡大） 　　　　　　対岸の菜の花にも魅了され、いったん、駐車地まで戻って、車で行って見ると 菜の花がいっぱい 臼杵川を挟んで対岸にふかんさくら 臼杵川を挟んで対岸にふかんさくら 　臼杵川沿いの河津桜は国道沿いでもあり、折に触れ訪れているが、「ふかんさくら」の愛称をもらっているとは知らなかった。　～2017年02月、2019年02月～ 　このところの暖かさで、花ごよみは一気に進み、この「ふかんさくら」も、わずかな風にピンクの花吹雪を散らしていました。 下判田にある 　大分片野観音堂の白木蓮 　臼杵川の「ふかんさくら」が主題のようになっているが、もしかして、ハクモクレンも咲きはじめているのではないだろうか。で、臼杵に向かう途中、下判田の「片野観音堂」に立寄ってみた。ここは、以前から大きなハクモクレンと宝篋印塔が目に留り、タイミングを見計らっての計画となった。 　国道１０号線中判田駅前を通り過ぎ、「白滝橋北」交差点を左折、県道２０８号線（鶴崎大南線）に進む。約８００ｍ後、左側に大きな案内板『片野観音堂』が現れ、隣接の駐車場に到着。「お～、咲いてる～」期待どおり、大きな樹全体が真っ白になっていた。 片野観音堂 位置図（国土地理院の地形図加工） 　その案内板には、「三十三観音」と「宝篋印塔」と書かれているが、それ以上、詳しい内容の説明板はない。　１０段ほどの石段を上がると、正面にはお堂があり、先ずはお参りと云うことになる。扉を開けてみると３３体の石造観音像が祀られていました。 　振り向いた庭園には各種の石造文化財があり、主役は背の高い「宝篋印塔」だろう。「大分市地域まちづくり活性化事業」と書かれた標柱も立っていた。 片野観音堂と宝篋印塔 　　　　　　 　　　　　　　　　　　三十三観音　　　　　　　　　　　　　　　　　　宝篋印塔 　それと対峙する位置に、弘法大師を祀った御室や大乗妙典一石一字塔などがあり、それぞれ、天保三年ごろの年代が刻まれていました。よく見ると、“野津院普賢寺”の文字列もあり、野津町普賢寺との関りも推測できる。～天保三年（1832）とは、江戸時代中後期のころ、今から１９０年ほど前のこと。～ 　　　　　　 　　　　　　　　　　宝篋印塔基部　　　　　　　　　　　　　　　大乗妙典一石一字塔 　地域に遺された石造文化財も、貴重な歴史遺産であり、感動しながら見る事ができました。詳しい説明板があると、なお良いのですが・・・　目的となったハクモクレンは、境内の一角？と思える位置に植えられており、樹高は１５ｍほどだろうか見事です。 白木蓮 白木蓮 （クリックで拡大） ハクモクレン 　　　　　　　もしかして、天保三年ごろの植樹で、樹齢約１９０年？。　 　　　　　　　かってに推測しながら、江戸時代の片野村にタイムスリップしてみるのもいい。 　臼杵の、ふかんさくらは桃色、菜の花は黄色　そして大分ハクモクレンは白。　桃、黄、白、春本番の陽気となりました。