（九州百名山：№63）熊本県水俣市 熊本・鹿児島県境の山 矢筈峠から登る
矢筈峠・林道入口・登山口～（20分）取付き～（20分）鞍部～（20分）矢筈岳～
～鞍部～（7分）女岳～（5分）鞍部～（30分）登山口 ： 行程 2 時間30分
昨日は、北薩の２山に登り、午前中の冠岳は快適だったが、午後の紫尾山では、大雪に阻まれ思わぬ難儀
をした。 今日は、鹿児島と熊本の県境にある矢筈岳に登る。矢筈の名のつく山も多い。大分県では姫島に
もある。ガイドブックに従い、矢筈峠側から登ろう。
出水市から県道１１７を北上すると、薄ピンク色に染まった空に、夜明け直前の矢筈岳が見えてきた。 姿
のいい山で、登頂意欲が涌く。狭くカーブの多い県道を上り詰めると矢筈峠。登山口の林道は、峠を少し下っ
たところ。駐車広場もある。
矢筈岳（県道117から）
どんな山かな、さあ、登ってみよう。８時１０分。県道から分岐する林道を歩き始める。今朝は相当に冷え
込んで、残雪がガリガリに凍っている。風がないので、それほどの寒さは感じない。
林道は植林地の中、カーブを繰り返してゆるやかに登っていく。「道わきの紅い実は、ハナミョウガの実だ
ろう」。１５分ほど登って、左に大きくカーブする峠状のところに出ると、眼前に矢筈岳（本峰）と女岳が
姿をあらわす。「お～、すごい。かっこいいな」。本峰と女岳で矢筈の形に見るらしい。
林道入口・登山口 林道途中で矢筈岳（本峰）と女岳
さらに林道を５分ほど登り、右カーブの左側に標識があって、山道への取り付き点。ここから、鬱蒼とした
杉植林の中、幅広い谷沿いの登り。それほどの斜度もなく淡々と登って、幼木林に変わると、自然林も混じり
始める。「これは、ハクサンボクの紅い実」。ガマズミとの区別も難しいが、この時期、葉っぱの ある なし
が大きな決め手。
少しのジグザグを経て登り詰めると、女岳との鞍部に着く。このあたりの残雪は５センチ程度、反射がまぶ
しい。取り付きから２０分ぐらい。反対側からのコースも合わさる。右側には「帰りに、女岳に」の案内標が
おもしろい。「まず、本峰に登ろう」。
山への取り付き点 鞍部（左へ）
鞍部から左（西）の森に入り、背の高い照葉樹林の中をほぼ一直線に登っていく。標高差約１４０ｍの尾根
登りで、斜度はかなりきつい。「このあたりに、ヤッコソウはないかなぁ」雪のかかってない林床を探してみ
る。「これは、ツチグリだ」。昨日の冠岳でも遭ったドングリ型キノコがおもしろい。
長い直線の急坂は、落葉と雪で滑りながらも、鞍部から約２０分で頂上に到着。登山口の歩き始めから、ち
ょうど１時間。１等三角点。 巨石には短歌が刻まれており、印象的な山頂の雰囲気。このあたりの積雪は約
２０センチ。
矢筈岳への直登 矢筈岳の頂上
西側の一段下がったところに祠があり、その先にテラス状の見晴らし岩がある。八代海が眼下に広がり、天
草の島々も浮かんでいる。すばらしい展望に、しばし見とれる。
頂上横の展望岩から八代海方向
鞍部まで戻り、「女岳にも登ってはいよ」の方言標識に従い、背の低い自然林を軽く登っていく。振り返る
背後に矢筈の本峰がそそり立っている。「矢筈はあんなに、高かったのだ。あっという間のことだけど」。
鞍部から７分ほどで女岳の頂上。樹林に囲まれて展望はない。頂上直前の右（南）側に、切り開きの見晴
らし場がある。
女岳への分岐点 女岳の頂上
鞍部から往路を戻る。 林道をくだり、峠のところで本峰と女岳を振り返り、別れを告げ、降りついて１０
時４０分。行程は２時間３０分。 手軽に登れて、すばらしい展望を楽しめた。林道の雪にうさぎの足跡を見
たが、今日はだれにも会わなかった。
【 雪を踏み 今頂上の この景色 】
今日の出遭い
ハナミョウガ ハクサンボク ツチグリ
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