佐伯市直川 2025 年 1 月 17 日（金） 晴れ
市指定黒沢地蔵尊ほか
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訪問地 佐伯市直川 ： |
観音庵 黒沢地蔵尊 青柳の経王塔 |
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昨年の暮れ、直川町の文化財を訪ねていた時のこと、親切な女性と出会い、近隣の歴史や文化財を親切、丁寧に教えて頂いた。その話の中に、「こん先に、有名な黒沢地蔵尊があるけん、是非、いっちみよ」
と提案していただいた。その時は予備知識がなかった所為もあるが、計画していた「観音庵」や「吹原石幢」などを優先し、気分的には「またいつか」の宿題として脳裏に収めた。
「ありがとうございました。」で、別れたあと、「観音庵（海鳥山観音寺跡）の宝篋印塔」を訪ねたが、所在地の詳細が分からず、目的の「観音庵」や「宝篋印塔」に行きつくことができず、これもまた宿題となった。
と云うことで、今回はリベンジの「観音庵」と「黒沢地蔵尊」をセットにして計画した。運が良ければ、市指定文化財の「青柳経王塔」に出逢えるかもしれない。
先ずは リベンジの市指定文化財
海潮山観音寺跡の宝篋印塔
（観音庵：５４番札所） （佐伯市直川大字赤木1283）
今回もまた、国道１０号線の「番匠大橋」を経て「旧直川村」に入り、「巨大カブトムシのモニュメント」を見ながら、県道６０３号線（赤木吹原佐伯線）に分岐する。前回訪ねた「浄光寺跡（浄光庵）」や「野々内石造物群（野々内生活改善センター）」をやり過ごしていくと、「直川憩いの森公園」入口となり、目的の「観音庵」入口に到着。
観音庵入口
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位置図（クリック拡大）
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「やっぱり、変わってない！」 一ケ月ほど前なので変わるはずもないが、小さな石祠と並んで「観音庵・佐伯四国５４番」の標柱と説明板が立っていた。 「今日こそは・・・」の気分で、地形図は持ってきたが、細道や所在地等は何も描かれてなく、ほとんど役に立ちそうにない。
まわりの様子を見極めながら歩き始めたが、民家の角で行止まり？となった。 ウロウロ迷っていたその時、運よく、ご近所の方と出会った。「大分から来たんな、そらまあ・・・、「観音庵」は、あん先の石段を登った上に祀られちょるけん」と、笑顔で教えて頂いた。
１０分ほどのロスタイムとなったが入口近くまで戻り、集落の坂道を辿って行くと、教えて頂いた石段下に到着。「やっぱり、そうだったのか」 前回、この近くまで来たのだが、案内板もなく、石段の上まで登る勇気はなかった。しかし今回は違う。
坂道を経て
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石段を登る
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上方に所在していると判れば、焦ることもなく、２０段ほどの石段に取付く。 期待しながら登りつめると墓地群があり、心を落ち着かせて「観音庵」の境内に入っていく。静かで落ち着いた雰囲気がいい。ありがとうございました。無事に到着です。
観音庵には「佐伯四国第五十四番霊場」の札が懸かっていた。まずはお参りしておこう。今年の初詣第３弾は、直川町の「観音庵」となり、「黒沢地蔵尊」と続く予定。 入口の引戸は施錠されてなく、仏壇には青い柴（しきみ）も供えられており、表示板には「第五十四番
延命寺 本尊不動明王となっていました。
観音庵の境内へ（クリック拡大）
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佐伯四国第五十四番霊場
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延命寺 本尊不動明王
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改めて 市指定文化財
海潮山観音寺跡の宝篋印塔
文化財の宝篋印塔は「観音庵」の左脇に祀られており、お堂と共に主役の存在感を魅せていた。 説明板は境内の植え込みに囲まれ、読み難い状況になっていたが、概要は“中世の頃、下方県道沿いに一寺が建立されていた”。の文頭から始まり、幾多の経歴を経て、“今の観音庵は、中世の末 赤木村中津留西方高地に建てられたもので、多数の古塔の中で優れたものは宝篋印塔で、高さ１．７メートルあり、塔身上部に納経穴がある。他の小型二基には造立年次（永正九年）の銘がある。：直川村教育委員会”などとなっている。
お堂と宝篋印塔など
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説明板（クリック拡大）
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海潮山観音寺跡の宝篋印塔（クリック拡大）
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説明板を読み返ししたりして、１．７ｍの大型宝篋印塔では塔身上部の納経穴を探し、一列に並んだ小型宝篋印塔群の中で二基に永正九年の銘が刻まれていました。 主役の宝篋印塔以外にも、三重塔や小型の宝塔群が境内の隅々に遺されていました。
小型の宝篋印塔（二基に記銘あり）
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三重塔
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小型の宝塔群
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前回は出合えなかったが、リベンジのチャンスで復活し、地元のおじさんの助言もあり、貴重な文化財と出逢うことができました。静かで落ち着いた佇まいの「海潮山観音寺跡の宝篋印塔」でした。
市指定文化財
黒沢願王庵延命地蔵
（黒沢地蔵尊：５５番札所） （佐伯市直川大字仁田原1519）
昨年の暮れ、直川町の女性から「是非、黒沢地蔵尊へ行ってみると良いよ」と情報をいただき、早速の参拝計画となった。「黒川地蔵尊」は、県の観光情報「ツーリズムおおいた」にも載っており、“陸地峠のふもとに佇む「黒沢地蔵尊」は、交通安全、安産、進学、病気祈願や牛馬の地蔵としても知られ、その歴史は弘法大師空海の全国巡礼にまで遡ります。”などとなっており、恩日の祈りや本尊とご開帳の儀式などの様子なども表記されている。
国道１０号線をさらに南下して、約３．３ｋｍ後（正定寺直前）の三差路に「黒沢地蔵尊」や「直川ダム」などの案内板があり、左折すると朱塗りの欄干が印象的に目に飛び込んでくる。幅広く整備された２車線道路は、交通量も少なく快適なドライブロードという雰囲気となっている。
１０号線から市道へ
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これより１ｋｍ
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「ん、あれは？」 国道の分岐から１．４ｋｍ付近に説明板と石仏群が置かれていた。「ラッキー、文化財の青柳経王塔だ！ 帰りに寄ってみよう」 。 とりあえず、ここは見過ごし、所々に現れる案内板や朱塗りの橋に従いながら「黒沢地蔵尊」の駐車場に到着した。
黒沢地蔵尊に到着
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位置図（クリック拡大）
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駐車場の奥には境内に入る橋があり、カーブしながらスロープ状の坂道を登っていく。すぐに「八大龍王」の説明板や立像などが置かれていた。
駐車場の奥に進むと
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八大龍王
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はじめは
勝緑山法幸寺
左上には弘法大師との関連も深い「勝緑山法幸寺」があり、回り込んで、前庭広場に到着。先ずはお参りしておこう。 本堂の前に進むと「おっ、こうやくん！」 入口扉の左袖に、かわいいお顔で立っていた。過日、高野山で出会って以来１０年ぶりだろうか。 お参りできた御礼と、自身や家族の健康などを祈願しました。
勝緑山法幸寺（クリック拡大）
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こうやくん
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振り向くと、前庭の南縁には、古くからの仏像群（延命薬師如来像など）と新しく造られた大型の「弘法大師立像」や「六地蔵」などが安置されていました。
古くからの仏像群
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六地蔵と弘法大師像
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市指定文化財のある
黒沢地蔵尊寺 （佐伯市直川大字仁田原字黒沢向）
法幸寺から回り込むことも出来そうだが、やっぱり、正面からお参りしよう。 一旦、市道にでて、右脇に回り込むと、「黒沢地蔵尊」の正面入口となっており、少しの石段を登りはじめると、左側の袖に「直川村文化財：黒沢願王庵延命地蔵」の説明板が立っていた。
黒沢地蔵尊入口
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説明板（クリック拡大）
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説明板の概要は“この宝盛山願王庵は佐伯四国五十五番札所で、ご本尊は「大通智勝仏」といわれ、弘法大師が御巡錫のみぎり、刻まれたと伝えられる高さ三十センチの木造り延命地蔵で平安前期の作と伝えられている。以下、願王庵の縁起（天文２年：1533）などは省略：直川村教育委員会”などとなっている。
入口の山門をくぐると、「あっ、あそこ！」 という雰囲気で、由緒ありそうな「願王庵」が配置されていた。
黒沢地蔵尊（クリック拡大）
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「お参りにまいりました」で、庵の前に進むと、「愛宕将軍延命地蔵尊」の標札も懸かっていました。前扉の格子戸には「謹賀新年」のポスターと並んで「令和７年の厄除祈願」や「地蔵恩日大祭：１月２４日」の情報なども貼られていた。主役となる「延命地蔵尊（木造３０センチ）」は市指定文化財となっているが、恩日（１月２４日）以外はご開帳されておらず、今日（１月１７日）は、お姿を拝むことはできなかった。
黒沢地蔵尊
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庵の格子戸
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恩日大祭のご開帳は、事前に分かっていたことだが、インフルエンザの感染拡大が危惧され、一足早いお参りとさせていただきました。縁起のいい幸先参りと云う事にしておこう。
市指定文化財
青柳の経王塔（笑い地蔵） （佐伯市直川大字仁田原字下ツル）
黒沢地蔵尊に向かう途中で出合った「青柳の経王塔」は、この場所に置かれていた。 所在地は国道１０号線からの距離で言えば１．４ｋｍ付近の右側に位置している。道路を挟んだ反対側に広い駐車スペースがある。
青柳の経王塔
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位置図（クリック拡大）
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「あっ、お地蔵さんが笑ってる！」 いきなりの笑顔に、ホッコリした気分で石造物群に到着。 先ずは説明板に目を通そう“経王塔は法華経大般若経のような経典中最も有難いお経を、一石一字に書きとめて納めた塔である。また、この地蔵菩薩は、往還を通る人々にいつもやさしく笑いかけておられ、拝むと気持ちが晴れやかになるといわれている。地区の人々は、そのお姿から「笑い地蔵」と呼んで親しんでいる。この地蔵塔は総高１７４センチで、「順主當邑 今平」 「経王塔 文政三辰天 二月二十五日」：佐伯市教育委員会”などと記されていた。
青柳の経王塔（クリック拡大）
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説明板（クリック拡大）
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説明板にも記されているが、「笑い地蔵」ともいわれ、往還を通る人々にいつも優しく笑いかけておられるとのこと。なんともほほえましいお地蔵さん。二度見、三度見しても珍しい。 経王塔の側面には銘が刻まれており“順主當邑 今平 経王塔 文政三辰天 二月二十五日”などと陰刻されていました。
笑い地蔵
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側面に記銘
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今日は、初詣とリベンジで、再び直川町にやってきたが、謎だった「観音堂」は、親切なおじさんの助言で無事に到着し、貴重な文化財にも出逢う事ができた。主題の「黒沢地蔵尊」も、過日出会った親切な女性の提案で、ありがたくお参りすることができました。
その足で出逢った「笑い地蔵」では、おもわずホッコリ。 新年早々、たくさんのホッコリ気分をいただきました。直川町から春の暖かさを土産に持って帰ったようです。
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