根子岳・東峰（1408.1m）５回目　　　　　2010 年 4 月 24 日（土）晴れ

　　　　（九州百名山）熊本県高森町　大戸ノ口峠コース

　　　　　　　　　　　　　　大戸ノ口峠〜前原牧場P・登山口 〜（東尾根 １時間）根子岳東峰 ： 　往復

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：往復行程　歩行距離 約 1.5ｋｍ，高低差 約 ±350ｍ，時間 約 2 時間


　４月下旬になっても、不安定な天気と低温傾向が続いているが、阿蘇方面の山野はどうだろうか。久しぶ
りに根子岳に登ってみよう。　根子岳東峰の大戸ノ口峠（前原牧場）コースは、 以前、秋口（2007年9月）に
登っており、季節を変え春に登ってみたいコースだ。

　国道２６５号線を行き、阿蘇市と高森町の境界付近が大戸ノ口峠。　国道から直角西に分岐し、牧野道へ
進むと正面に根子岳が見えてきた。イメージとは違う根子岳だが、東から見ると東峰を頂点にした普通の山
姿だ。


　　　　　　　　　　　　　
　　　　　根子岳東峰（大戸ノ口峠・牧野道入口から）　　　　　　　　　　登山コース（図のクリックで拡大）


　天気はいいが、雲の動きが速い。「風が強いのだろう」　放牧された肥後の赤牛を見ながら、牧野道をゆ
るやかに約１．６km上っていくと、広い駐車場のある登山口に到着。

「風が冷た〜い」気温は７℃。天気は良くなる予報だが、寒気が入ってきており、冷たい風が吹いている。
登山届に記帳し、樹林をくぐるようにして登山道に入って行く。右に巻き上がりながら自然林に分け入り、
いきなりの急坂歩きから始まる。８時５０分。

　最近の雨続きで、濡れた黒土がすべる。小幹とストックでバランスを取りながら、登り始めのリズムとペ
ースづくりは、ほどほどに。頂上まで、急坂を登り続けるので、無理をしない方がいい。


　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　登山口　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　標高１１００m付近


　急坂はきついが、覚悟していたコースでもあり、それほど苦にはならず、背の低い灌木林は、開放的な気
分で登って行ける。振り向いた背後に、広大な波野高原があり、ポツンポツンと荻岳や下荻岳が盛り上がり
を見せている。景色を見ながら登っていけるのがいい。

「んっ、あの白い花は・・、コブシかな」枝先の白い花が、風に揺れていた。ヤマザクラもまだ花を残して
おり、点々と目につく。　やがて、左側に崩壊谷が見えてきた。標高１２００ｍ付近。

　足元を気にしながら登って行くと、『危険』の標識があり、その先は崩壊谷の源頭になっている。右に迂
回し、崩壊地を左下に見ながらクリアして行く。このコースで、ちょっと緊張する場所だ。


　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　標高１２２０m付近　　　　　　　　　　　　　　　　　　崩壊地の上を横切る


　崩壊地を過ぎると再び急坂になり、クマザサが多くなってきた。前回はまわりの草丈で気付かなかったが、
かなり体に迫ってくる。濡れていたら登りにくいだろう。気になりながらも、長くは続かなかった。　「そ
れにしても、急坂の連続だな」。さらに急坂は続き、左右の様子に変化は弱いが、登山口付近の様子も俯瞰
できるようになり、見下ろす景色が違ってきた。標高１３００ｍ付近。

「おっと、踏みそうになった」足元には、可愛いキスミレが次々と咲いている。　左側に大戸尾根が迫り、
そのすそ野には高森町付近の様子が見えてきた。「もうすぐだな」前上方に大岩が現れ、その横を巻き上が
ると大戸尾根コースと合流した。


　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　標高１３００m付近　　　　　　　　　　　　　　　　　　大戸尾根コースと合流


　右に曲がり、幾分ゆるやかになった尾根道を、ほぼ北向きに登っていく。「あっ、天狗だ！」　このあた
りから、左側に天狗峰が見えてくる。頂上から見る姿とは少し様子が違い、南側に流れる岩稜線が、一味違
う趣を見せている。

　天狗峰を左に見ながら、頂上も間近に迫ってきた。　開放的な尾根道は高度感もあり、まわりを見降ろし
ながら天上歩きの楽しさだ。


　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　もうすぐ頂上　　　　　　　　　　　　　　　　　左に天狗峰（写真のクリックで拡大）


　気持ちよく頂上稜線を登り詰めると、天狗峰からのコースとも合わさり、根子岳東峰に到着した。５回目
の頂上だ。２等三角点（根子岳：1408.1ｍ）。９時５０分。登山口から約１時間。急坂の連続だったが、あ
っけなく登ってしまった。

　頂上からの景色は、何といっても天狗峰だ。荒々しく天に衝き上げる岩峰は、自然界の造形とは言え、何
度見ても見応えのある姿だ。　くじゅう連山や祖母山は、雲やモヤに隠されているようだ。シーイングは良
くないが、北側の阿蘇盆地を広々と俯瞰できるのがいい。登ってきた尾根筋や、登山口付近を真下に見下ろ
せるのも楽しい。


　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　根子岳東峰の頂上　　　　　　　　　　　　　　　　　頂上から阿蘇盆地を俯瞰


　ゆっくり景色を楽しんでいると、寒くなってきた。気温７℃。　「もう降りよう」　下山は往路を戻る。
下りの急坂は、さすがに速く、滑りながらもグングンと下っていく。無事に登山口に到着し、１０時５０分。
往復は、休憩も含み約２時間。


　このコースは急坂の連続だが、まわりの景色を見ながら、高度変化を楽しめるのがいい。１時間ほどで頂
上まで登ることができるので、根子岳東峰へは最短のコースでしょう。他のコースも同じことだが、雨や風
など天気の悪い時は、避けた方がいい。

【 雲を衝く 根子の天狗や 風薫る 】

　　　　　今日の花たち

　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　キスミレ　　　　　　　　　　　　　ムシカリ　　　　　　　　　　　　　　コブシ


　　　　　阿蘇の草原にて

　　　　　　　　　　
　　　　　　　ツクシシオガマ　　　　　　　　　　　　サクラソウ