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  傾山1605m13回目                   2011 3 27 日(日)晴れ
  (九州百名山,大分百山) 大分県佐伯市宇目町 払鳥屋(西山)コース


 去年3月上旬、このコースで傾山に登った時、ふもとでミツバツツジ、頂上でマンサクに出逢っている。今年は寒さも長引き、花たちも遅れ気味に推移しており、丁度いい頃かもしれない。天気も良さそうなので、ひと頑張り登ってみよう。払鳥屋(西山)コースは4回目。

 国道326号を南下し、佐伯市宇目町の『ととろ入口』から県道6号に分岐して約5.5km後、橋の手前から県道613号に右折して西山川沿いを進む。「あっ、ミツバツツジ」早速、ピンクのミツバツツジがお出迎えだが、思ったよりは少ない。まだ、咲き始めと言う感じだった。

 西山集落を経て西山林道に変わりながら、先の県道分岐から約9.4km(最後の700mは未舗装路)後、林道は終点となり、払鳥屋コースの登山口。終点の小広場は『車の回転場につき、駐車禁止』となっており、向きを変えて林道の広がったところに停める。


           
          傾山(コース途中のソデ尾から)               登山コース(クリックで拡大)


        払鳥屋・登山口 〜(2時間20分)ソデ尾 〜(1時間10分)傾山
                          上り:3時間30分, 下り:2時間20
        往復:歩行距離 7.0km,累積標高差 ±1090m,行動時間 6 時間 40


 気温は2℃。昨日までの風も収まり、放射冷却の朝となって凛とした寒さに包まれている。「登り始めれば、暑くなるだろう」おだやかな日射しを受けながら、登山届に記帳する。7時50分。

 案内標に従い、一旦沢に降りる。 丸木橋で渡ると、改めて『傾山登山口』の大きな標識が現れる。元々は、ここまで林道が延びていたのだが、先の水害で寸断されたままの登山口。登山口の仕切り直しと言う感じのところ。標高670m付近。 目の前の植林帯へ入って行き、すぐまた沢を渡り返して、薄暗い杉林の中をゆるやかに登り始める。


          
                登山口                        2回目の徒渉


 沢音を左下に聞きながら、はっきりした踏み跡をたどる。古い炭焼釜の跡もあるようだ。 次第に沢筋から離れ、右向きに変わると斜度が増し始め、やや荒れ気味のコースになるが、テープや踏み跡をたどれば大丈夫。

 さらに斜度が増し、急坂になりながら古い林道に飛び出した。「暖まってきた」歩き始めから15分少々のところ。ほどよくウォーミングアップは出来あがった。林道は、すぐ左で終点、右側は『行き止まり』の標識があり、数年は使われた形跡がないようだ。 その林道を横切り、山腹斜面の急坂を経て3度目の沢は石ころだらけのを涸れ沢を渉る。


          
             林道を横切る                      涸れ沢を渉る


 涸れ沢を渉り、植林帯は急に斜度が増し始める。「いよいよだ」このコースを象徴するような上り坂が始まる。「長距離だから、ぼちぼち行こう」標高800m付近。 やがて自然林に変わり、雰囲気もよくなってきたが急坂は続く。小刻みなジグザグも切りながら、ゴロ石の多い坂道を登って行く。

 まわりにはアセビやシキミがあり、どちらもやっと咲き始めたと言う感じ。左上方には、岩ピークがチラッと見えるが、頂上近くのホトクリ原あたりかな。花や景色を探しながら、手強い登りを紛らわして行く。

 沢音が遠くなりながら、多少の緩急変化を経て、はっきりした尾根道へと変わってきた。標高950m付近。 大きなツガやブナ、きれいな木肌のヒメシャラなどが目立つようになり、いかにも、祖母傾山系の大自然林に入って行く感じだ。


          
             急坂は自然林に変わる                はっきりとした尾根道になった


 急坂はさらに続き、岩の露頭が多くなり始める。 尾根筋の岩を、越えたり避けたりしながら登っていくと、最初のロープ場が現れる。標高1000m付近。それほど危険ではないが、冒険心をくすぐられるところ。「よっしゃ」手足の屈伸をし、ロープを握りしめて慎重にクリアする。

 このあたりから、足場の悪い難路が続き、濡れた落葉や岩が滑る。 ほどなく2回目のロープ場が現れ、これも慎重にクリアすると大きく展望が広がってくる。「あれは、桑原山かな」新百姓山など県境の山々が、気持ち良く広がっている。まもなく9時。歩き始めから1時間少々のところ。景色を見ながらひと休み。


          
              最初のロープ場                2回目のロープ場をクリアすると大展望


 尾根筋の急坂登りは、さらに続き、とてつもなく大きなブナやツガなど、次々と目立つようになってきた。「いいな〜」きついけど、好きなところだ。 太古から脈々と繰り返される自然界の営みは、時空を越えて受け継がれており、今このように目の当たりにしながら登って行く。

 開放的な くじゅう山系とは、まったく違った雰囲気があり、祖母傾山系ならではのもの。 野鳥の鳴き声も、いろんな鳴き声が混じり、豊かな生態系が成り立っているのだろう。きつい坂道だが、至福感に包まれながら登っている。


          
               巨木が次々と                   豊かな自然林(クリックで拡大)


「おっと、倒木だ」ごく新しい倒木が、登山道を塞いでいる。一瞬戸惑ったが、右脇を巻き上がって行けば良さそうだ。 「こんにちは、ヒメちゃん」大きなヒメシャラの肌にタッチしながら尾根筋の緩急を登って行く。やがて3度目のロープ場が現れ、1120m付近。険しい登りはさらに続く。

 左の樹間に岩ピークが見え始めたが、これから登るホトクリ原あたりだろうか。右側は、東傾山からの尾根筋かな。「もうすぐソデ尾だな」期待しながら地形図を見れば、標高1200m付近。 「まだ、まだ」ソデ尾のピークは、さらに200mほどの標高差がある。


          
            3度目のロープ場をクリア                    急坂は続く


 尾根筋の急坂はさらに続き、巨木と岩で左右に振られながらも、同じような景色が繰り返される。登りに登ると言う表現が実感する場面が続き、まわりの景色に高度の変化も楽しめる。「新百姓の高さを越えたかな」ひと息入れながら登ろう。


          
               登りに登る                  南側に桑原山・新百姓山(クリックで拡大)


 緩急を繰り返しながら登っていくと、右前方の尾根筋がだんだんと近づき、迫り寄るようにしてソデ尾のピークに到着。「ふ〜、やれやれ」三角点はない(標高点:1392m)。10時10分。登山口から約2時間20分。

 標識には『西山分岐』とも書いてあり、冷水コースとも合流し、コースの拠点になるところ。すぐ横の露岩に上がると素晴らしい展望が得られ、ザックを下ろして、ひとやすみ。 南側の展望は、登る途中で見てきた景色と同じだが、目線も高くなり、ゆったりとした気分で楽しめるのがいい。五葉岳や大崩山も浮かんでいた。


          
              ソデ尾に到着                      景色でひと休み


 西側の樹間には、傾山の頂上部が見える。「もうひと頑張りだ」 ソデ尾から左向きに変わり、急激な下り坂が始まる。「お〜、寒い〜」日陰でもあり、谷から吹き上げてくる風がとても冷たい。ガレ気味の岩段差を、ロープに縋りながら下っていく。

 ほどなく鞍部に降り着き、フラット気味のアップダウンコースに変わってくる。「気持ちいいね〜」落葉樹主体の自然林で、今は開放的な明るさがあり、樹間の左右に景色も楽しめる。GWの頃なら、ミツバツツジやアケボノツツジが楽しめるところ。まだ、まだツボミは硬いようだった。

「ん?、アセビの葉が赤茶けてるが・・」昨秋の水不足か、この冬の厳しい寒さが、葉を枯らしたのかもしれない。また、このあたりは白骨化したブナ木立も気になるところ。厳しい自然界の一幕を見ている様な気もする。


          
            ソデ尾から急坂を下る                  明るいアップダウンを行く


 ゆるやかなアップダウンは、次第に上り坂が多くなり、少しずつ登って行く。 やがてホトクリ原に向かって登り返しが始まり、やや斜度のある上り坂に変わってきた。振り返る背後に、越えてきたソデ尾がずいぶんと高く見え、帰りの登り返しが気になるほどだ。

 まわりの景色も変化が多くなり、大きな岩や松の巨木など、日本庭園を思わせるような景色に、ひと足止める場面もある。また、白骨化したブナ林は自然が作り出したオブジェと言う感じで、次々と現れる。


          
       ホトクリ原に向かって上り坂(背後はソデ尾)           ブナのオブジェ(クリックで拡大)


 それほどの急坂ではないが、短めの霜柱をザクッ、ザクッと踏みながら長い上り坂が続く。緩急の変化もあり、ようやくという感じで小ピークに達し、ホトクリ原の肩に上がり着いた。 さらに軽くアップダウンがあり、岩のピーク(等高線:1510m)で左側に大展望が現れる。先ほどのソデ尾から見た景色とほぼ同じだが、ひと休みには気分もいいところ。

 ゆるやかなアップダウンを行き、アセビのトンネルをくぐりながら、少しの下り坂がある。 残雪に滑りを感じながら、なだらかな小鞍部を過ぎると、頂上部の一角に取り付くようになり、それらしく斜度が増し始める。 「お〜、すばらしい〜」南側は断崖になっていて展望は抜群によく、桑原山、夏木山、大崩山などが、勢揃いと言うように並んでいる。


          
          ホトクリ原の肩に上がってきた                   南側は大展望


 景色を楽しみながら尾根脇を登り、やや斜度を感じる坂を登り詰めるようにして、右脇にトラバースして行く。少しの残雪があるが、大丈夫。草つきの斜面は、斜度がゆるみながら、後傾山との鞍部に上がり着き、左からの主コースと合流する。

「お〜、今日もいい景色だ」後傾と本傾の断崖の隙間から、本谷山や古祖母山などが望め、頂上直前の絶景ポイントと言うところ。「う〜ん、マンサクは・・」去年は、両側の断崖に黄色く染まった花が見えていたはずだ。頂上のマンサクに期待を残す。


          
             鞍部で主コースに合流               断崖の隙間から本谷山など(クリックで拡大)


 右向きになって、ひと登りすれば、標高1605mの傾山頂上に到着。二等三角点(傾山:1602.2m)。11時20分。登山口から、休憩を含んで約3時間30分。だ〜れも、居ない。天気のいい日曜日だが、雄大な九州百名山をふたり占め。

「後傾が、いいね〜」すぐ隣に対峙している山だが、いつもは、ずんぐりとした山塊に、気にも留めないような存在の山。今日は、雪の薄化粧がおもしろく主張されている。


          
               傾山の頂上                      後傾山(クリックで拡大)


 後傾をはじめ360度の大展望はすばらしく、ぐるっと一回りの展望が楽しめるはずだが・・、北側は春霞?。くじゅう連山や由布鶴見は、空と一体になってモヤの中。 西側は、縦走路の主尾根を目線で辿り、本谷、古祖母・・はるか遠くの祖母山へと繋がっている。「あっ、もうすぐだ!」。マンサクはやっと黄色みが感じる程度に膨らんでいた。景色と一緒に撮ってみよう。

 頂上周辺にも何本かのマンサクがあるが、どれもまだ、やっとという程度だった。ミツバツツジやアケボノツツジは、まだまだ。本格的な春を待っているようだった。景色を見ながら、ゆっくりとお昼をいただく。「う〜、寒くなってきた」気温は−1℃。傾山は、まだまだ、冬日和という感じの寒さ。


          
            傾山の頂上(クリックで拡大)                 祖母山方向(クリックで拡大)


 景色とお腹が満足したら、下山は往路を戻る。 「おっと、と・・」霜解けに、ヌルヌルと足を取られる下り坂。 ソデ尾からの下りは、幻想的な大自然林を『下りに下る』と言う感じが長く続く。落葉やガレ石の滑りに気を遣い、心地良い疲労と共に降り着いて14時30分。下りは約2時間30分。 往復は、昼食や休憩等も含み約6時間40分。


 急坂の長い尾根登りは、深い大自然林に抱かれながら登って行く。きつい上り坂だが、言いしれぬ至福感に満たされながらの汗が心地良い。 ソデ尾のピークを越えると、気持ちのいいアップダウンで、まわりを見ながら稜線歩きが楽しめる。 もうひと頑張りで頂上に登り、360度の大展望を満喫できる。

 期待したマンサクは、やっと黄色みが見える程度。やはり、今年の春は遅れているようだった。ミツバツツジやアケボノツツジと、本格的な春はこれからのようです。

  七重八重 山かげ淡く 春霞

  今日の花たち

             
          アブラチャン              シキミ               マンサク



             
           アセビ                キブシ               ケクロモジ


         
          ミツバツツジ            ミツバツツジ




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